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③投資のリスクを減らすには?

投資リスクを減らすポイント「分散投資」と「長期投資」

投資のリスクを減らす方法のひとつに「分散投資」があります。時間に着目した積立投資も分散投資の一種です。また、投資期間を長くする「長期投資」もリスク軽減に効果的です。


分散投資とポートフォリオ

1つの金融商品に多くの資金を投入すると、その商品が大きく値を下げたとき、同じく自分の資産も大きく値下がりします。こういった投資のリスクを減らす方法のひとつに「分散投資」があります。複数の投資先に資金を分けることで、資産全体でリスクを軽減する方法です。



分散する対象は主に3つ

1)「資産の分散」

例えば、株式と債券は一般的に異なる値動きをするので、それぞれの価格変動リスクをカバーするのに役立ちます。


2)「地域の分散」

複数の地域や通貨を組み合わせることで、投資の対象になっているモノが存在している国やその通貨、地域の状況などによる値動きのリスクを軽減することができます。


3)「時間の分散」

株式などの市場は常に動いており、時には急騰や暴落により大きく値動きすることがありますが、投資のタイミングを複数回に分けることで、その影響を和らげることができます。


ポートフォリオとは?

金融資産における分散投資の組み合わせをポートフォリオといいます。つまり、資産をどういう金融商品に分散して運用するのかということです。金融商品の3要素(安定性、流動性、収益性)を踏まえて、商品や通貨など様々な観点から分散させたポートフォリオを持つことでリスクを抑えながら、期待する運用成果に近づけることもできます。重要なことは、「同じ要因に対して値動きが連動する金融商品に分散しても十分な分散効果が期待できない」ということ。金利、為替、その他の社会情勢など異なる要因で値動きするものを組み合わせます。



時間を分散する「継続投資」

投資信託や外貨預金など価格が変動する金融商品は、日々刻々と変化するもの。このため、一度に大金を投資してまとめて買ってしまうと、価格が下がったときに元本割れをするということにもなりかねません。そこで購入時期を分けてリスクの軽減を行うのに有効な手法が、定期的に一定の金額で買い足していく方法(ドル・コスト平均法(※))です。特に投資期間を長くする投資手法である長期投資において効力を発揮し、価格が高いときには少しだけ、価格が安いときには多く買えます。毎月一定数量の金融商品を購入していく「定量購入法」と比較して、平均購入価格を低く抑えられます。




(※)ドル・コスト平均法(dollar cost averaging)は、 “一定額の通貨”で同じ投資対象に投資することで、その投資対象を取得するのにかかった“コスト”を平均化する投資手法です。

なお、ここでの通貨とはドルに限った話ではありません。日本では定額購入法とも呼ばれるほか、イギリスではポンド・コスト平均法(pound-cost averaging)とも呼ばれます。

時間を味方につけて大きく貯める

積立投資は誰にでもできるもっとも確実な方法です。時間を味方につけて大きく貯めるために、できるだけ早いうち、若いうちから計画的な貯蓄をはじめたいものです。


例えば老後資金として60歳までに2,000万円を積み立てる場合、必要な月々の積み立て額はどうなるか見てみましょう。


20歳のあなたが、40年間かけて貯めると、毎月の積み立て額は約34,000円。

30歳のあなたが、30年間かけて貯めると、毎月の積み立て額は約48,000円。

40歳のあなたが、20年間かけて貯めると、毎月の積み立て額は約76,000円。


いずれも、金利を1%、1年複利と想定して積み立てた場合の試算です。利息額に対する税金20.315%(所得税15.315%(復興所得税0.315%含む)、地方税5%)を考慮しています。このように負担金額が大きく変わります。



長期間の保有でリスクを軽減する

商品や通貨、時間などを分散投資するだけでなく、投資期間を長くする投資手法である長期投資を行うこともリスク軽減策のひとつです。価格が変動する商品は、短期間で見ると価格が上がったり下がったりしています。短期間で売買するときは、値上がりや値下がりの動きに合わせて大きく収益を得ることもあれば、損失を被ることもあります。しかし、10年、20年、30年という長い期間で見た場合はどうでしょう。一時的に価格が下がっても、長い目で見れば価格が上がることもあるため、長く保有すればするほど、リスクを軽減する効果があるといわれています。



また、長く保有することは収益を得る面からも効果的な側面があります。ひとつは複利効果です。これは運用で得た利益を元本に加えて再投資をすることで、投資の利益が投資に回り、さらに利益を生む効果のことです。投資から得られた利益を再投資することが可能であるため、複利効果が働きやすいと言えます。さらに、大きな収益や損失の可能性のある短期売買に対して、そのリスク軽減効果も相まって、収益が安定しやすいということも特徴のひとつです。


短期間の値動きにあわてることなく、じっくりと保有する長期投資を実践することが効果的に資産を増やす大切なポイントになります。

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