家計の変動費と固定費とは?
家計の支出項目は、変動費と固定費に分けることができます。ちょっとした工夫を取り入れることで、固定費の方が節約効果のメリットを得やすいのをご存じでしょうか?
●変動費とは
日々の暮らしの中で、お金を使う行動や選択によって、支出が増えたり減ったりするものが変動費に含まれます。食費、被服費、娯楽費、交際費などが主なものになります。
お金をためようと思ったときに、とりあえず実行してしまいがちなのが、この変動費を減らすこと。自分の心掛けで成果を得られるため、節約効果が高いと感じがちなのですが、実際に減らせるトータルの金額はそれほど大きくないかもしれません。
また、毎日の食費や日用品費などの出費を減らすのは、常に努力し続ける必要があるため意外とストレスがたまるもの。頑張っている自分にご褒美を与えてリバウンドしてしまっては、せっかくの努力が水の泡になりかねません。毎月こつこつと節約を続けるための、地道な取り組みが求められます。
●固定費とは
毎月支払うことが決まっていて、金額がある程度一定のものが固定費に含まれます。住居費、水道光熱費、通信費、保険料、自動車関連費、定額制サービスなどが主なものになります。金額が比較的大きな住居費を含め、毎月決まって自動的に引き落とされる費用のため、改めて注目されることが少ないかもしれません。
実は、この固定費を減らすことが、長い期間でみたときに大きな節約効果を生みます。決まった額の出費である固定費を見直すと、その後は同じ額を毎月繰り返し減らせるので、効率的かつ簡単に節約が可能になるのです。年間でまとまった金額になるだけでなく、長期的にはかなりの金額になる場合もあります。
家計の見直しは、まず固定費から着手することをおすすめ
【費用別】家計の固定費を見直す方法
1,通信費(電話代・インターネット使用料)
固定電話だけの時代、通信費はせいぜい月数千円程度でした。しかし今では、家族一人一人がスマートフォンを所有するのは当たり前に。みんなの通信費を合計すると、ひと月数万円という家庭もあるかもしれません。
通信費については、大手キャリアといわれる電話会社の契約を解約し、格安スマホや格安SIMに乗り換えることで、大幅な削減も可能です。ただし、通信速度が遅くなる時間帯がある、設定や利用方法のサポート窓口が少ない、利用可能な端末が制限される、などのデメリットが生じる場合もあります。
大手キャリアを使用し続けた場合でも、家族同士の割引やインターネット契約とセットの割引、不要なオプションを外すなどすることで、月々の料金を抑えることができます。通信の品質や最新端末にこだわりがあるという場合は、格安スマホや格安SIMへの乗り換えをせず、大手キャリアで上手に節約できる方法を見つけましょう。
2,保険料
保険とは万一の際に必要なお金を用意するための手段です。生命保険は扶養する相手がいない独身時代には必要ありませんが、結婚・出産・子育てと家族の暮らし方が変わるのに応じて、必要な保障内容も変化します。
基本的に一度加入した保険商品は、契約したときの条件のまま継続して加入し続けることになり、自動的に保障内容が切り替わることはありません。ですので、ライフステージや働き方が変わったタイミングで保険の見直しを行うことが大切です。
たとえば、マイホーム購入のため利用した住宅ローンの団体信用生命保険に、がん保障の特約が付いている場合は、単体で加入していた生命保険のがん保障の特約を解約するなどして、無駄な保険料の支払いを減らす必要があります。
任意で加入している自動車保険についても、運転者の年齢条件や補償範囲、車両保険の契約タイプや免責金額を利用実態に合わせて見直し、必要のない部分を削減することをおすすめします。
また、自動車保険には各種の割引制度があり、各保険会社により異なるため、自動車保険を見直すときは、複数の保険会社から見積もりを取って比較しましょう。代理店を通して加入する方法と、インターネットや電話を通して加入する方法があり、後者の「通販型(ダイレクト型)」は保険料が安くなることが多いため、こちらに乗り換えることで、同じ補償でも保険料を減らせる場合があります。
3,自動車関連費
自動車は、購入費用で数十万~数百万円、維持費については毎月数万~十数万円かかるともいわれます。自動車税、駐車場代、車検代、保険料などの維持費は所有しているだけで発生するため、家計にとって少なからぬ負担となります。
生活のため自動車がなくてはならない場合は、まず維持費を抑えられる車種を検討しましょう。小型自動車や普通自動車ではなく、軽自動車を選べば自動車税を大幅に抑えることが可能です。また、ハイブリッドカーや電気自動車などの環境にやさしいエコカーの場合は、性能に応じて新規登録時の自動車税や軽自動車税、自動車重量税などが大幅に減税されます。
維持費の中でも地域によって大きな負担となる可能性があるのが駐車場代です。駐車場のタイプによっても差がつきますが、都心部では月に数万円かかることもあります。
もし、自動車の利用頻度がそれほど多くないなら、自動車を所有しない選択も検討してみましょう。カーシェアリングに切り替えれば維持費を大幅に節約でき、タクシーなど公共の交通機関を利用した方が割安になるケースもあります。家族の利用状況を踏まえて考えてみることをおすすめします。
4,定額制サービス
健康のためにスポーツジムやヨガ教室に通い、自分磨きのために英会話教室で学ぶ。それ自体は良いことですが、月額の会費や月謝を払っているのに利用頻度が低くなると、結果的にとても割高になってしまいます。
そういった場合は、退会するか、割安な公共施設の利用に切り替えて費用を節約しましょう。子どもの習い事や学習アプリも同様で、あまりたくさん利用しても、結果的に身にならない場合もあります。三つ程度など、数に上限を設けるのがおすすめです。
複数の新聞や雑誌を購読しているが、忙しくてあまり読めていない。有料TVチャンネルも時間がなくて見ていない。何となくで自動継続しているものは、必要性を見直し、不要ならば解約しましょう。特に、割引やキャッシュバックを受ける条件として付加したオプションの無料期間が終わり、有料となってからも料金を払い続けているものがないか確認を。見落とされがちなポイントですので、もったいない支出をなくしましょう。
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